今日で、あなたが亡くなり丸5年になりましたね。
あなたは、今、何をして、
何を思っているのでしょうか。
私は、あなたに恥ずかしくない毎日を送れていますか?
私はまだ、人の為に生きている人生だと、
自信をもって言えません。
情けないですね。
でも、これからです。
きっと人の為に生きれる人生を、
過ごしてみせます。
いつまでも、
見守っていてください。
今日はあなたを想い、
お酒を少しだけ飲みたいと思います。
あなたも付き合ってくださいね。
献杯
2018.09.20 タグ:#想い
心配すんな、
でも安心すんな。
全く身寄りのないお二人が60代を過ぎて寄り添い、
生きていこうと決め、結婚され、夫婦生活を送っておられました。
お二人はもう80代後半です。
私が今回このお二人と知り合ったのはご主人のオムツ交換と食事介助の依頼を受けてのこと。
奥様は重度の認知症です。
第三者が見ると、明らかに、よく二人で生活を送れてるなあという感じでした。
ご主人に施設や入院を第三者が勧めても、
「こいつを一人にはしない、こいつとずっといるんだ。」と奥様への気持ちを言われていました。
そして、日に日に衰弱していかれ、食事が摂れなくなり、点滴になり、
先日、二人が暮らした自宅で、還らぬ人となってしまわれました。
そばにいる奥様は、ご主人が亡くなったことをわかっておられませんでした。
マンションだったこともあり、自宅で納棺して出棺は難しい状況だったため、
斎場にお連れしました。
担当ケアマネに奥様も斎場に連れて行くか尋ねたところ、
考え方はもちろん人それぞれですが、そのケアマネは、
連れて行かない方がいい。そしたらすぐにご主人を忘れてしまいますから。
と言われました。
忘れさせた方が悲しみが減ると考えられたのかもしれません。
しかし、私は、その選択肢よりも、きちんとお別れをさせた方がいいと思い、
葬儀に奥様を連れて行きました。
葬儀を終え、火葬場まで連れて行きましたが、
火葬場では待ち時間も2時間ぐらいあるので、
収骨までは体力的に無理だろうなと思い、収骨はせずに自宅へ連れて帰りました。
帰路の途中奥様は来てよかったと言われましたので、私自身連れて来てよかったと
思っていました。
しかし、落ち度があったのです。
収骨を斎場の方に頼み、位牌と遺骨は霊園にその日に預けました。
これが結果的にはダメだったのだと思います。
収骨をしなかったことで、死という現実を奥様は受け入れていなかったのです。
その日の夜から、奥様のご主人探しが始まりました。
片っ端から電話をかけ、「主人が帰って来ないけど、どこに行ったか知らないか?」
「寝ずに待ってるけど、帰って来ない」
私にも毎晩何度も「主人が帰って来ない」と電話がありました。
警察にも何度も連絡して夜中に警察を呼ぶ騒ぎにもなりました。
やはり、ご主人のことを忘れるはずもありません。
毎晩続きましたので、何とかしなければと考えました。
私としては、ご主人の死を受け入れてもらうにはどうしたらいいか考えました。
そこで、位牌と遺骨を霊園に引き取りに行き、自宅へ持って行きました。
そして奥様に、「お父さんの帰りをずっと待ってたんだよね、ずっと探してたんだよね、だからお父さん連れて帰って来たよ。でもね、お父さんは亡くなったの、だから今日はお父さんが安心して浄土で休めるように供養するからね」
と話すと、位牌と骨箱を奥様は抱きしめ、
「お父さんがやっと帰って来た、やっと会えた、お帰り」と言われました。
二人で生活を送った自宅でもう一度葬儀のお勤めをさせていただきました。
読経の後、奥様は、これからもお父さんはずっとここでそばにいてくれます。安心しました。
と穏やかな顔になられました。
今回、夫婦の絆の強さ、認知症の方の対応、介護職としての役割、葬儀を行う意味の深さ、などなどたくさん学びました。
最後に、
奥様は自宅で、位牌と遺骨を抱き寄せた時、ご主人が見えているようでした。
2018.02.14 タグ:#介護, #守りたいもの, #想い
妻は、夫の帰りを待った。
何時になろうとも、
何時間経とうとも。
妻は、夫がどこに行ったのか、
まわりに尋ねた。
妻は、夫がもう帰らないことに気づかない。
しかし、
いつもと何か違うことは感じている。
いつもと変わらない部屋。
温度だけは上がらない。
妻は、夫の帰りを待った。
見えなくなっても、
夫は、妻のそばにいて、
妻の手をずっと握っていた。
妻は、相変わらず下を向き、
何か呟いている。
何を呟いているのか、
返事をするものが、
いなくなった。
点滴が片付けられ、
テレビも消えていた。
強い風の声が響き、
部屋は冷え込んでいる。
少しだけ残った、
夫の香りに、
妻は不安がる。
妻が、いつものように振り向くと、
誰もいない。
冷たいベッドだけが、
そこには残っていた。
2018.02.07 タグ:#葬儀, #運命, ♯ペットお葬式
私が、
亡くなっている子を、
そっと抱きかかえると、
死がわかるのか、
もう一匹の子も、
ずっと吠えていた。
その鳴き声は、
泣き声に聞こえ、
いつまでも響いていた。
二匹の楽しかった思い出が、
そっと揺れていた。